秘密保持契約書（NDA）とは？必要性や書き方のポイントなど

会社などと契約を結ぶ際に、秘密保持契約書というものを見たことはあるでしょうか。
秘密保持契約書は会社にとって重要な契約書です。
今回は、秘密保持契約書（NDA）について必要性や書き方のポイントなどを解説します。

◾️秘密保持契約書（NDA）とは
秘密保持契約書とは、会社の秘密事項に関する取り扱いを定めた契約書です。
Non-Disclosure Agreementを略してNDAと呼ぶこともあります。

この秘密保持契約書は、他社に業務を委託する場合やM＆Aを実行するとき、雇用契約を結ぶときなどに交わされます。

◾️必要性
秘密保持契約書が必要とされる理由は、秘密情報の保全と万が一秘密情報の漏洩があった場合に損害賠償を請求するためです。

会社が抱えている秘密情報には顧客の個人情報や独自の技術、アイデアなどが含まれます。
個人情報の流出が起こってしまえば、信用を損なってしまうため、その後の経営に大きな影響が出ます。
したがって、会社が秘密情報を厳格に扱い、しっかり守っていくにあたって、秘密保持契約書が必要になるのです。

また、秘密情報が漏洩した際に、損害賠償を起こすことなども事前に定めておきます。秘密保持契約書がない状況で秘密が漏洩してしまった場合、損害賠償請求を起こせない可能性があるからです。

◾️書き方のポイント
・契約目的
契約を結ぶ目的を記します。秘密情報をどう扱うかについて明確にすることで、トラブルを避けることにも繋がります。

・秘密情報の範囲
秘密情報の範囲は具体的に定める必要があります。範囲を曖昧にしてしまうと、予期せぬ秘密情報の漏洩が起こるリスクがあります。
何が秘密情報に当たるかどうかを具体的にするために、秘密情報を箇条書きにするケースもあります。

秘密情報にあたるものを明記する必要がある一方で、秘密情報にあたらない例外がある場合、それも明記します。

さらに、秘密情報の複製を禁じる場合や複製したものも秘密情報に含めることなども明記しておきます。

・目的外の使用禁止
秘密情報を目的の他に使用することを禁止にすることを明確にします。
そのためには、使用目的をまず明確に記し、その上で、その目的以外での使用を禁止にします。

・有効期間
契約を結んだ日付と、この契約がいつまで有効か明示します。
契約を自動更新させる場合も、それを明記します。

また、契約完了後も一部の条項を一定期間有効にすることも可能です。
この場合、どの程度それらの条項を存続させるかも明記しておきます。

・秘密情報の消去、返還
契約が完了した後の秘密情報の取り扱いを定めます。
一般的には消去または返還することを明記します。
特に重要な秘密情報は、消去や返還の方法まで定める場合もあります。

・秘密情報漏洩の際の対応
万が一、秘密情報が漏洩してしまったときの対応を定めます。
漏洩した際に、すぐに報告することなどを始め、損害賠償についてや管轄裁判所、訴えにかかる費用の負担などについても明記します。
損害賠償の請求は万が一のときの事後策という側面だけでなく、契約相手が慎重に秘密情報を扱うように動機づける事前策という側面もあります。

◾️まとめ
今回は、秘密保持契約書（NDA）について必要性や書き方のポイントなどを解説しました。秘密保持契約書は、会社の情報を守る重要な契約書です。秘密情報が漏洩してしまった場合、会社には多大な損失が生じます。特に一度損なった信用を取り戻すためには、大変な苦労がかかります。そのため、不備や漏れがないように慎重に契約書を作成していかなくてはならないため、秘密保持契約書を結ぶことを検討している方はお気軽にご相談ください。

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