売掛金の未回収リスクと発生後の法的な対処法
支払期日を過ぎても売掛金の入金が確認できない状態が続くと、事業にさまざまな悪影響を及ぼすおそれがあります。
売掛金の対応を後回しにしてしまうと、回収が難しくなったり、法的な問題にも発展しかねません。
本記事では、売掛金の未回収を放置することによって生じるリスクと、発生した場合の対処法について解説します。
売掛金の未回収を放置するリスク
売掛金の未回収を放置すると、資金繰りに直接的な影響が生じます。
入金を前提に仕入れや経費の支払いを計画している場合、回収が遅れることで資金不足に陥るおそれがあるためです。
また、時間の経過とともに、取引先が支払いを先延ばしにしたり、出し渋ったりするなど、回収交渉が難しくなることもあります。
相手方の資金繰りが悪化すれば、他の債権者への支払いが優先され、回収の順位が下がることも考えられるでしょう。
さらに、売掛金債権には消滅時効があります。
一定期間が経過すれば、法的手続による回収が認められなくなる可能性もあります。
加えて、取引先が倒産した場合には、全額の回収ができるとはかぎりません。
回収を放置することは売掛金の未回収リスクを高める行為といえるでしょう。
売掛金の未回収が発生した場合の対処法
売掛金の未回収が判明した場合には、まず事実関係を整理することが重要です。
支払期日がいつであったのか、請求内容に誤りがないか、契約条件に特別な取り決めがないかを確認しましょう。
あわせて、請求書の送付状況や、これまでのやり取りの履歴を確認しておくことも大切です。
その上で、取引先に連絡を取り、支払い状況を確認します。
支払い遅れである場合には、早期の連絡によって解決するケースも少なくありません。
未回収への対応は時間が経過するほど難しくなるため、状況を把握した時点で動き出すようにしましょう。
自社での対応が難しい場合の考え方
電話やメールによる督促を行っても支払いに応じない場合には、自社での対応だけでは解決が難しい局面に入っているといえるでしょう。
そのような場合には、内容証明郵便などの方法により、支払いを正式に求める対応を検討することになります。
請求の意思と金額を明確に示すことで、相手方に対して一定の心理的・法的な緊張感を与える効果が期待できます。
それでも支払いがなされない場合には、法的手続を視野に入れる段階に進むことになります。
もっとも、どの手段を選択するかは、売掛金の金額や証拠関係、今後の取引継続の可否などによって異なります。
回収に要する費用や時間とのバランスを踏まえ、現実的な対応を検討することが重要です。
まとめ
売掛金の未回収は、放置すればするほど事業に与える影響が大きくなります。
未回収が発生した場合には、早い段階で状況を整理し、段階的に対応していくことが重要です。
特に、初動対応の遅れは回収の可能性を下げる要因となるため、慎重かつ迅速な判断が求められます。
自社だけでの対応が難しいと感じた場合には、状況に応じ、弁護士への相談を検討してみてください。
当事務所が提供する基礎知識
-
倒産手続の清算型と再...
倒産手続には清算型と再建型があります。 ■清算型清算型の倒産手続とは、会社の総財産を金銭化し、残っている財産を債権者に配当する手続をいいます。清算型の倒産手続には、破産手続と特別清算手続があります。 […]

-
親権取得について
「子どもの親権を獲得したいが、やはり父親だと母親よりも不利なのだろうか。」「子どもの親権者となり、しっかり育てていきたいと思っているが、経済的には厳しいためどのように判断されるか不安だ。」お子さんがいらっしゃるご夫婦が離 […]

-
株主総会・取締役会の...
■株主総会・取締役会とは株主総会・取締役会は企業にとって重要事項を決定する会社法上の機関です。これらは、定期的または臨時に開催されます。株主総会では、取締役の選任や重要な事業譲渡、他社との合併など、企業経営に関わる重要事 […]

-
M&Aのメ...
M&Aのメリットとデメリットについて見ていきます。 ・メリットM&Aのメリットとしてまず挙げられることは、企業外部の方が社長に就任するケースが多いことから、後継者がいなくても会社を残し、従業員を […]

-
社内でセクハラが発生...
社内でのセクハラは、企業倫理や就業環境が問われるコンプライアンス課題です。以前までは社員同士のコミュニケーションで許されていた言動も厳格化され、対応を誤ると法令違反や、社会的信用の喪失など深刻な影響を及ぼします。本記事で […]

-
債務超過とは?貸借対...
債務超過とは事業者における負債が資産の額を上回っている状態のことを指します。事業者の財政や経営状態を貸借対照表や損益計算書などで参照する際にも債務超過の状態にあるかは重要な判断になります。今回の記事では、債務超過とは何か […]

よく検索されるキーワード
事務所概要
ご相談者さまにとっての「善いこと」を実現する事務所でありたい。 そんな想いから三善法律会計事務所を立ち上げました。
| 名称 | 三善法律会計事務所 |
|---|---|
| 所属 | 東京弁護士会 |
| 所属弁護士 | 森 謙司(もり けんじ) |
| 所在地 | 〒104-0032 東京都中央区八丁堀4-11-7 神谷ビル503 |
| 電話番号/FAX番号 |
03-6280-3235 / 03-6280-3236 web会議(Zoom、LINE電話等)対応いたします。 |
| 対応時間 | 平日:10:00~18:00 ※事前予約で夜間も対応いたします。 ※別途夜間料金がかかります。 |
| 定休日 | 土・日・祝 ※事前予約で対応いたします。 ※別途休日料金がかかります。 |
弁護士紹介
- 代表弁護士
- 森 謙司(もり けんじ)
- 所属弁護士会
-
東京弁護士会
東京弁護士会 税務特別委員会
- ご挨拶
-
2017年12月1日より三善法律会計事務所を開業し、2018年1月11日より執務を開始することとなりました。
これもひとえに皆様方のご厚情とご支援のおかげと、心より感謝申し上げる次第です。
三方善し(人善し、我善し、世間善し)さんぼうよし
近江商人が掲げた「人よし、我よし、世間よし」の「三方よし」と同様、弊事務所も「三方」に対して、道徳・倫理に適った真に「善いこと」を実現する事務所でありたい、そんな想いから「三善(みよし)」法律会計事務所を立ち上げました。
引き続き、皆様方のご要望に期待以上のお応えができるよう誠心誠意努力してまいる所存です。
- 経歴
-
2005年11月 公認会計士二次試験合格
2006年 3月 中央大学経済学部卒
2006年 4月~2009年12月 三優監査法人勤務
2009年10月 公認会計士登録
2012年 3月 中央大学法科大学院修了
2013年12月 司法修習終了、弁護士登録
2013年12月~2017年11月 虎門中央法律事務所勤務
2017年 12月 三善法律会計事務所設立
- 著書
-
『フロー&チェック企業法務コンプライアンスの手引』(新日本法規出版/2016年/共著)
『法律家のための税法[会社法編]』(第一法規/2017年/東京弁護士会編著)
『新しいルールの理解とよりよい職場のための 職場のハラスメント対策Q&A』
(経済法令研究会/2019年/単著)
- セミナー等
-
「債権回収と貸倒損失」
(2018年6月東京税理士会足立支部/9月豊島支部)(2019年7月東京税理士会練馬西支部/7月四国税協)
「相続における事前対策」
(2018年10月東京税理士会小石川支部)(2019年4月東京税理士会町田支部/6月小石川支部/7月福井県税協/7月兵庫県西税協)
「ハラスメントの基本とコンプライアンス」
(2019年1月全国信用保証協会連合会)